脊椎圧迫骨折(圧迫骨折)にはどんな種類があるのか?このカテゴリーでは、症状ごとの原因や治療法も含めてまとめてみました。
脊椎圧迫骨折、通称「圧迫骨折」は「圧迫」の言葉が示すとおり、外部から骨を押しつぶすような力が加わることによって起こる骨折症状のことです。
「骨折」と言うと、骨がぽきりと折れてしまう姿を想像する方も多いかと思いますが、圧迫骨折は「折れる」というよりはむしろ、椎体と呼ばれる部分が外圧によって「つぶれる」イメージと言った方が正確かもしれません。
そんな脊椎圧迫骨折には大きく分けて、主に腰椎の部分が損傷する「腰椎圧迫骨折」と、主に胸椎の部分が損傷する「胸椎圧迫骨折」の2種類があります。
とは言え、この2種類の圧迫骨折はまったくの別物というわけでもなく、そもそも腰椎と胸椎はともに脊椎を構成するパーツの一部でもありますので、たとえば「胸腰椎圧迫骨折」といった形で、2種類の圧迫骨折が同時に起こることも珍しくありません。
このカテゴリでは、腰椎圧迫骨折・胸椎圧迫骨折それぞれの「特徴」「原因と症状」「治療とリハビリ」についてまとめていますので、ぜひご一読ください。
腰椎圧迫骨折も、胸椎圧迫骨折も、脊椎圧迫骨折の一種です。 それぞれの椎体が何らかの衝撃によってつぶれてしまうことによって起こります。 どちらも圧迫骨折においても、交通事故やスポーツによる事故など、きっかけはさまざまですが、胸椎圧迫骨折は腰椎圧迫骨折と比較すると、ちょっとした咳やくしゃみなどによって起こってしまうことの多いものでもあります。
いずれの圧迫骨折においても、骨密度の低い高齢の方や、閉経などにより骨密度が低くなる女性に多く見られるといわれていますが、男性でも起こる可能性の高い圧迫骨折です。 腰椎圧迫骨折と胸椎圧迫骨折、それぞれを予防するには、女性の場合は閉経までにできるだけ骨密度を高めておくこと、また男性も50代以降骨密度が低くなるといわれていますので、できるだけ骨密度を上げておくことが重要です。
また、胸椎圧迫骨折においてはできるだけ転倒などを避けるよう慎重に生活することで、小さな衝撃によって起こることを防げます。
腰椎圧迫骨折を起こすと、一切動くことができないほど腰に強い痛みがあります。 そのため、満足に動くことはできないと思われますが、骨が形成されるまでの治療法は「安静にしていること」です。
ギブスなどを使用して腰を固定し、つぶれた骨が再度形成されるまで安静にして待ちます。 しかし、安静にしていて骨が形成された後、かなり筋力が低下してしまっている場合がありますので、リハビリをして筋力をつけ、腰椎圧迫骨折前の状態に戻るような治療を行っていきます。
リハビリに入るタイミングは、コルセットなどを着用すれば痛みが軽く、体を動かすことができるようになった頃がタイミングです。
リハビリは理学療法士による適切な指導やサポートがとても重要になります。 腰椎圧迫骨折の治療期間は、その症状によってさまざまです。
平均すると2、3ヶ月程度だと思われますが、長いと半年ほどかかることもあります。 腰椎圧迫骨折によって神経や脊髄が傷ついている場合には、手術を行うこともあります。 手術を行う場合は3、4ヶ月ほどで治療が完了するケースが多いようです。
胸椎圧迫骨折の症状は実にさまざまで、身動きが取れないほど強い痛みがあるケースもあれば、自分で気づかないうちに何らかの衝撃により腰椎圧迫骨折を起こしているということもあります。
症状が痛みのみで、またさほど強くないということであれば、コルセットやギブスをつけて安静にし、骨が形成されることを待つ方法で治療を行います。
しかし、胸椎圧迫骨折によって手足などにしびれや麻痺などの症状を起こしている場合は、神経に問題が出ている可能性があるため、手術を行うこともあります。
胸椎圧迫骨折の手術では、つぶれてしまった骨を特殊な風船のような器具で一旦持ち上げて、それによってできたスペースにセメントを流し込む手術になります。
通常は保存療法で治療を行うことが多いですが、手術をするほうが日常生活に戻れるまでの期間が短くなるので、あえて手術を選ぶという人も増えているようです。
腰椎圧迫骨折は外部から加えられた圧迫する力によって、脊椎の椎体と呼ばれる部分がつぶれてしまうことで起こります。 脊髄の圧迫や神経への影響がないのであれば、後遺症が残ることなく完治が可能であることも多いです。
腰椎圧迫骨折の治療法は、コルセットやギブスを装着して安静にし、骨の形成を待つという方法が一般的です。 できるだけ体を動かさないようにし、硬めのコルセットを使用することでしっかり骨が形成されるようにします。
頚椎圧迫骨折の基本的な治療法は、その他の圧迫骨折と同じく保存療法です。圧迫骨折をしていても、多少の痛みやしびれを感じる程度で脊髄に問題が見られないのであれば、首周りをギプスで固定し、安静にすることで悪化しないように過ごします。ただ、我慢できない痛みがある場合は、湿布や注射等を利用する場合もあるので人それぞれです。
また、圧迫骨折によって脊髄まで圧迫されていたり、脊髄が損傷していたりすると、保存療法では対応できないケースもあります。こうしたケースでは、神経や脊髄を圧迫している骨等を手術で切り取ったり、脊髄神経が通っている脊柱管という管を物理的に広げたりする手術も必要です。