圧迫骨折を引き起こす主要な原因として知られる骨粗鬆症について、その症状や予防法などをまとめてみました。
まず骨粗鬆症というのは、骨の中身がスカスカになり、骨自体の強度が非常にもろくなる病気のこと。
もちろん癌や脳卒中、あるいは心筋梗塞などのように、すぐに生死に直結する病気ではありません。
しかし、骨粗鬆症に伴う骨折が原因で、要介護の状態になってしまう人も少なくなく、大変怖い病気であることに変わりはありません。
骨粗鬆症になると、寝たきりになるリスクが約1.8倍高まるというデータもあるくらいなのです。
骨粗鬆症になりやすいのは、圧倒的に女性です。
他の体の器官同様に骨も、古い骨を溶かして新しい骨をつくる、代謝という働きを繰り返すことによって正常な状態を保っています。
ですが、女性の場合は、閉経を迎える50歳前後からこの新陳代謝が十分に行えなくなってしまいます。
事実、60代の女性の50%、70代以上の女性の70%が骨粗鬆症だと言われているのです。
それでは若い女性は骨粗鬆症と無縁かというと、そんなこともなく、偏食や極度のダイエット、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣の乱れによって、最近では若い女性が骨粗鬆症になるケースも珍しくありません。
骨粗鬆症は骨がもろくなる病気ですので、ちょっとした衝撃でも骨折しやすくなります。しかも1度骨折すると、次々と骨折しやすくなる点も骨粗鬆症の怖いところです。
また、自覚症状に乏しい点も骨粗鬆症の特徴のひとつ。
いわゆる通常の骨折であれば痛みを伴うのですぐに気づくことができますが、たとえば圧迫骨折のように骨が変形してしまうケースでは、背中が丸くなって、あるいは身長が縮んでようやく、骨粗鬆症が原因でいつのまにか骨折していたことに気がつく…なんてことも間々あります。
骨粗鬆症は「骨の生活習慣病」とも言われているように、その予防法としては、生活習慣の見直し・改善が大事になってきます。
具体的には、骨を作る源となる毎日の食生活を見直すとともに、あとはお酒や煙草を控える、あるいはお日様の下で適度に運動をすることも効果的です。
とは言っても冒頭でも述べた通り、とりわけ女性においては加齢によって骨の強度が低下してしまうのは避けられません。
もっとも、最近は骨粗鬆症の治療薬も出てきています。効果が高いものは、注射による治療で、一部には自宅にて自分で注射を打つことで治療ができるものもあります。医師に相談してみるとよいでしょう。
骨粗鬆症には、運動が有効であるということは意外と知られていません。
適度な運動を行うことによってホルモンが分泌され、骨に良い影響をあたえるのです。
骨粗鬆症の改善にももちろん運動は有効であり、負担の少ない運動でも治療や改善、そしてもちろん予防にもつながります。
効果的な運動の一例としては、ふくらはぎや足のストレッチで足の骨と、背筋を伸ばすストレッチで、上半身の骨に刺激をあたえることができます。
この2つのことから分かるように、朝のラジオ体操は実は骨粗鬆症予防に非常に高い効果を発揮します。ラジオ体操は全身を動かすので、第一、もしくは第二まで体操することで程よい刺激になるのです。
早朝の運動は眠気改善にもつながるので、健康のためにラジオ体操を始めてみましょう。
体操と同等以上に大事なのが栄養摂取です。
人は体温調節のため必ず汗をかきますが、その成分にはカルシウムも含まれています。そしてカルシウムは、1Lの汗に対して40㎎も失われるとされています。
そのため運動後は、カルシウムをしっかり摂取する必要があるのです。
カルシウム不足を補うためにも、魚に含まれているビタミンDや、ニラ、ほうれん草に含まれているビタミンKも摂取しましょう。
なお、ジムなどでダイエットのため運動している場合、水分補給は水以外にも、様々な栄養素を補給できるスポーツドリンクがおすすめです。上記の栄養のどれかを摂取できるものを飲みましょう。
定期的な骨密度の検査もできれば行いましょう。
自分の骨の状態を知るには最も手っ取り早い手段です。
定期的に病院でチェックすれば自分の健康状態が分かるため、骨粗鬆症の予防につながります。