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自覚症状のない「いつの間にか骨折」

脊椎圧迫骨折と深い関わりがある「いつの間にか骨折」の概要についてまとめてみました。

いつの間にか骨折とは?

骨折には色々な種類がありますが、その中には、症状をすぐには自覚しにくいタイプの骨折もあります。そのような骨折を「いつのまにか骨折」といいます。

メディアでよく耳にすることが多い「いつの間にか骨折」ですが、これは正式な病名ではありません。自分で気づかないうちに骨折してしまう、いわゆる骨粗鬆症によって起こる症状なのです。

「いつのまにか骨折」は、骨の強度が低下する骨粗鬆症が進行することにより、くしゃみをする、重い荷物を持ち上げるなどの軽い衝撃で骨が折れてしまいます。骨折した瞬間には痛みを感じないものの、時間の経過で少しずつ痛みを感じるようになります。気が付いたときには折れていた…そんな状態になるので、この特徴から「いつのまにか骨折」と呼ばれています。

通常の骨折は、体の外からの強い衝撃で骨が折れることがほとんど。しかし、いつの間に骨折は、日頃の生活で徐々に骨が潰れ、気づかないうちに骨折してしまうもの…つまり「圧迫骨折」のことなのです。

いつの間にか骨折が起こりやすい部位は脊柱、つまり背骨の一部で骨折が起こりやすいといわれています。

圧迫骨折を引き起こす要因

「圧迫骨折の危険因子・骨粗鬆症」で詳しく触れていますが、骨粗鬆症とは更年期障害・偏った食生活・運動不足などの要因によって起こる、骨の強度が極端に下がってしまう病です。

骨粗鬆症によって圧迫骨折しやすい部位は以下の4つ。

  • 背骨(頚椎・胸椎・腰椎)
  • 腕の付け根(上腕骨の付け根部分)
  • 足の付け根(大腿骨の付け根部分)
  • 手首(橈骨遠位端骨折/とうこつえんいたんこっせつ)

この内、背骨に起こる圧迫骨折が高齢者に多く起こりやすく、さらに本人が気づきにくいとわれています。背骨の中でも発症しやすいのが第12胸椎と、第1・第2腰椎の圧迫骨折

この2つの部位は、姿勢の悪さなどの生活習慣で負荷が掛かりやすいため、圧迫骨折が起こりやすいとされています。

また、筋肉の炎症による腰痛と勘違いしやすいので、発見が遅れることもある厄介な部位でもあるのです。

気づかないうちに悪化する

背骨の近くには体の神経が通っているため、放置すると背骨の曲がりや神経麻痺といった症状が現れるようになります。

また、最悪の場合半身麻痺により寝たきりの状態になる可能性もあるため、放置すると危険なのです。

さらに、連鎖的に別の骨が骨折しやすくなることも問題。背骨は人の姿勢を支える部位であるため、その骨の一つが圧迫骨折を起こすと、本人の姿勢も著しく悪化します。悪化した姿勢はさらに背骨へ負荷を与え、第二、第三の圧迫骨折が起こりやすくなるのです。

一説には、1箇所でも圧迫骨折が起こると、次の圧迫骨折が起こるリスクは2.6倍。2箇所骨折している場合、さらなる圧迫骨折が起こるリスクは7倍以上になると言われています。

骨折箇所が多くなると、当然痛みなどもひどくなるほか、日常生活での体の動きや歩行に悪影響が及ぼされるため、できるだけ早期に発見することが望ましいのです。

いつの間にか骨折を早期発見

骨折が起きるきっかけ

いつの間にか骨折は、非常にささいなきっかけで発症します。

例えば、軽度の場合は、つまずいたり尻もちをついてしまったりした時に起こることが多いでしょう。また、重度の骨粗鬆症の場合は、階段の昇り降りや荷物を持ち上げるといった動作で骨折することがあります。

痛みによる負担がない場合、本人にすら骨折をしたきっかけがわからない場合もあるため、骨折のきっかけを避けることは難しいでしょう。

早期発見をするには

多くの病に当てはまることですが、いつの間にか骨折の早期発見は自覚症状の見極めと、医療機関での検査の2つで行えます。

主な自覚症状

「圧迫骨折が疑われる症状・腰痛」や「神経麻痺」などで詳しく触れていますが、圧迫骨折は体の痛み・しびれ・麻痺が主な自覚症状です。よくある腰痛とは明らかに異なる激痛が起きた場合、または腰痛と共に体の麻痺・しびれが見られる場合は、圧迫骨折が起きている可能性があります。

また、たとえ痛みがなくても、身長が低くなったり背が曲がったりすることも、いつのまにか骨折にあてはまる症状の一つ。

以下で「いつのまにか骨折」を起こしている可能性のある症状を紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

症状1:背中に痛みが出る

いつのまにか骨折を引き起こしている可能性のある症状の一つは、背中に痛みが出ることです。

なぜなら、背中の痛みは、骨粗鬆症の進行で胸椎の椎体骨折が発生したことによって起きている場合があるからです。必ずしも骨折してるとは限りませんが、背中や腰に強い痛みを感じる場合は注意が必要になります。ちなみに椎体骨折の特徴は、普段は何も感じることがなく、寝起きや急に立ち上がるなど姿勢を変えたときに強い痛みが出ることです。逆に安静にしていると痛みが軽減します。

症状2:背中が曲がってくる

老齢になると背中が曲がって丸くなってきますが、実はこの一見ありふれた現象も、いつのまにか骨折を引き起こしている可能性のある症状です。なぜなら、背中が曲がってくるという現象は、24個の椎骨からなる背骨の一つが骨粗鬆症の進行で潰れてしまい、それを皮切りに周りの骨にも影響が及び、連鎖的に骨折が続いた結果として起きている可能性があるからです。もし椎骨骨折だった場合、放置することで肺活量の減少や食欲不振など身体機能の低下を招く恐れがあるので、念のため病院を受診することをお勧めします。

症状3:短期間で身長が2センチ以上低くなる

背中が曲がる症状と理屈は同じですが、短期間で身長が2センチ以上低くなる場合も、いつのまにか骨折を疑う必要があります。なぜなら、骨粗鬆症の進行による椎骨骨折が起きれば、骨が減耗した分だけ身長が低くなるからです。特に短期間で身長が2センチ以上低くなる、あるいは20歳の頃と比べて2センチ以上の縮小が見られる場合は、危険信号の点滅と考えてすぐに診察を受け、脊椎のレントゲンを撮影する必要があります。

【その他の自覚症状】

  • 杖やシルバーカーなど、支えがないと立っていられない
  • 移動する時は、這うようにして歩く
  • 胸焼けや便秘の症状がよくある
  • 胸が締め付けられるような感覚がある

圧迫骨折が起こると、姿勢の悪化によって歩く時や立ち仕事をする時に支障が出るほか、腹腔や胸腔の縮小により内臓器官に影響が出ることがあります。

痛みやしびれのほか、上記した4つの症状がある場合も要注意です。

主な検査方方法

  • レントゲン検査

    X線を一方向から照射して、体の内側の状態を調べる検査。短時間かつ費用も安いため、多くの病院の検査で行われる

  • CT検査

    X線を多数の方向から照射して調べる検査方法。X線検査より詳しく病状がわかるので、レントゲンで判断できなかった場合行われる

  • MRI検査

    磁気共鳴を使って撮影する検査方法。任意で断面図を撮影できるなど、高い精度の検査ができるが、撮影時間の長さや費用の高さが問題となる

  • 骨密度検査

    2種類のX線を照射して骨密度を図るDXA法や、かかとやすねに超音波を当てて調べる超音波法などがある。圧迫骨折の要因となりやすい、骨粗鬆症かどうかを調べるために利用される。

強い骨を作って骨折を防ぐ!骨粗鬆症にならない対策

「【コラム】圧迫骨折は予防できる?」でも触れていますが、圧迫骨折のリスクを回避するには、骨折の大きな要因である骨粗鬆症を防ぐことが重要です。

骨粗鬆症は成長ホルモンの分泌減少にも関わっているため、分泌が少なくなる高齢の人にとって避けられない問題のように思えるでしょう。

しかし、きちんとした対策を取ることで、骨粗鬆症を予防することができるのです。自分で防ぐのは難しい「いつの間にか骨折」へ対処するためにも、普段から骨粗鬆症への予防をすることは重要といえます。

骨粗鬆症に有効な6つの予防法

1.栄養バランスを考えた食事

骨粗鬆症を防ぐには、骨の材料となるカルシウムを多く摂取することが重要となります。推奨されているカルシウム量は1日およそ700~800mgなので、毎日の食事で牛乳を飲むなどしてしっかり補給しましょう。

また、カルシウム以外の栄養素も重要。カルシウムの吸収を促すビタミンDや、骨を作る働きを高めるビタミンK、さらには骨の負担を抑えて、体を支える筋肉の元となるタンパク質やアミノ酸なども必要です。

骨だけではなく、体全体の調子を整えられるように、栄養バランスのよい食事を心掛けましょう。

2.定期的な運動習慣

骨を作る細胞の「骨芽(こつが)細胞」は、運動による負荷で働きが活発になることが知られています。骨への負荷が大きい運動ほど、より骨密度を高められるとされています。

しかし、年齢が高い人の場合は骨の組織を傷つける恐れがあるため、注意が必要でしょう。年齢の高い人の場合、ウォーキングやストレッチ、ダンスなど、負荷の少ない有酸素運動をすることがおすすめです。

3.体重のコントロール

骨粗鬆症を招く要因として肥満が挙げられます。そのため体重を軽くすればよいと考える人もいますが、体重を落とすために栄養が不足すると、かえって骨粗鬆症のリスクが高くなるため、注意が必要です。

特にBMI(体重[kg]÷身長[m]×身長[m])が18.5~25以内の値を目指し、食事や運動によって体重の管理を行いましょう。

4.たばこの禁煙

たばこを吸うと、食欲の低下によって胃腸の働きが低下し、血流も滞りやすくなります。骨を作る細胞は血液から栄養を得ているため、血行の悪化は骨粗鬆症のリスクを高めてしまうのです。

女性の場合はさらに深刻で、女性ホルモンの分泌低下によって骨からカルシウムが流出しやすくなるため、骨粗鬆症を予防のためには禁煙をすることが望ましいのです。

5.過度のアルコール摂取を控える

適度な飲酒であれば問題はありませんが、飲む量が過度になると、骨粗鬆症のリスクが高くなってしまいます。お酒には利尿作用があるため、大量に飲むと食事で得たカルシウムを尿として排出してしまう恐れがあるのです。

また、エタノール換算で、1日24g以上摂取すると、骨粗鬆症による圧迫骨折リスクが70%上昇するとされているため、飲酒量には注意しましょう。

6.検査を定期的に受ける

骨粗鬆症のリスクを回避するには、事前に骨粗鬆症になりやすいかどうかを調べることが重要です。「骨密度検査」を受けることで、現在の骨の状態を知ることができるでしょう。

  • 検査の結果骨粗鬆症になるリスクが高い
  • 現在骨粗鬆症になっていると診断された

このような場合は、治療薬の処方による薬物療法・骨を強化するための食事療法や筋力・骨密度をアップさせる運動療法の指導を受けることができます。

まとめ

いつのまにか骨折は突然起きるものではなく、一定の時間をかけて少しずつ骨強度が低下して骨が潰れていく骨折です。症状は自覚しにくいものですが、本稿で紹介した3つの症状が出た場合はいつのまにか骨折の可能性があるので、どれか1つでも現れたら、念のため病院で診察を受けましょう。

 

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