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保存療法

ここでは、コルセット・骨粗鬆症薬を用いた圧迫骨折時の対処法について解説しています。

まずは安静にすることを心がけましょう

圧迫骨折してしまった場合、すぐ手術や処置をしなければならないというわけではありません。

比較的痛みが少ない軽度の圧迫骨折は、症状がでてから数ヵ月の間は、保存療法を行うのが一般的です。

骨折した部分をギプスで固定して、骨が繋がるまで待つことになります。この時、症状が軽い場合はとにかく安静を心がけること。

その後、医師の指導の元で姿勢を正しく直したり、軽い運動を行って患部を改善していきます。多くの患者さんは、この保存治療で症状の改善が期待できるでしょう。

保存治療の期間は2ヵ月位が目安。ただ患者さんの状態によって程度は異なりますので、保存治療の期間はあくまでも医師の診断によって変ってきます。

それでも麻痺まではなくても痛みを伴う場合は、薬物療法などを併用して経過観察をするのが一般的な治療になります。

安静が第一といっても、どれほどの安静を求められることになるのか、生活にどのような影響があるのかを知っておきたいですよね。以下の文章では、安静にするということがどういう意味をさすのか、説明されています。

治療の基本は保存治療です。受傷後1か月の間、骨折部は不安定で容易に変形しますので特に注意が必要です。柔らかいコルセットよりむしろ、硬めのコルセットを使用し、骨折の程度によってはギプスを身体に巻いたりします。これによって、痛みを軽くし、変形の進行をできるだけ防ぎます。それでも痛みは骨折が治る頃まで続きますので、寝たり起きたりの回数はあまり多くしない方がよいと思われます。頻尿の人はとくに寝たり起きたりすることが多いので、尿の回数を減らすお薬を飲んでもらうこともあります。また、畳の上よりむしろ立ち上がりやすいベッドでの生活を勧めています。
という内容となっています。最後の方に記載があるように、尿の回数を減らすところまで薬でコントロールしながら、安静を第一に考えなくてはいけません。とにかく安静にする、それが保存治療といえますね。

出典: 一般社団法人 日本骨折治療学会

コルセットや鎮痛剤の活用

保存療法では痛みが引いてくる頃合いを見計らって、コルセットを装着します。

これは非荷重安静療法とも呼ばれ、2~4週の間にはコルセット装着でベットから起き上がれるようになるでしょう。

腰椎圧迫骨折では、硬性コルセットを使用します。腰部の場合は、腰を少し曲げた状態で固定する必要があるため、屈曲コルセットを使用することもあります。

これと平行して軽度の痛みがある場合は、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬や、血管拡張作用により神経に血流を増加させ痛みを和らげるオパルモン、プロスタグランジンE製剤などの血行改善薬といった薬物療法を用いて治療を行っていきます。

圧迫骨折の治療中に多い就寝時の痛み

圧迫骨折の際に発生する痛みの原因のほとんどは、寝返りによるものです。寝返りで腰をひねる動作は、体に負担がかかりやすく、その影響で骨に大きなダメージを与えてしまいます。

特に、横向きで寝ているというのは、ベッドとの接地面が少ないため姿勢が不安定になり、痛みを強めてしまう恐れがあるのです。

対策として、仰向け、もしくはうつ伏せで眠るようにするといいでしょう。しかし、うつ伏せは寝苦しくなるため、基本的に仰向けが最もスタンダードであるといえます。

体に負荷のかからない寝返り・起き上がり方

腰以外を動かすようにする

ベッドから起きる時に、腰に負担をかけないのが最も痛み対策として有効な方法です。そのため、股関節の動きだけで横向きになり、ベッドの縁に足をおろし、腕を使って体を起こします。

最初は慣れないと思いますが、何度もやっていく内に体の動きをマスターすることができます。

ベッドの周辺環境を整える

圧迫骨折の痛みが辛いのであれば、ベッドや周辺の環境を整えることで痛みを軽減させることができます。

例えば、ベッドを背上げ機能付きのものにすれば楽に起き上がれますし、縦手すりを用意すれば、腕の力だけで起き上がれるので腰の負担をなくせます。他にも、コルセットをしっかりと装備しておけば、腰の負担は大幅に軽減できます。

保存療法で痛みが引かない場合はどうするか?

保存療法を続けていっても効果や改善が見られなかったり、患者さんが安静にしていても痛みが続いたり、痺れを訴えたりしている場合は、治療の選択肢として手術が検討されます。

手術にもいろいろな術式がありますが、経皮的椎体形成術(BKP、PVP)という方法が一般的に用いられます。

手術にも様々な方法があり、状態によってどんな方法が最適であるかを医師が判断し、手術法を決定することとなります。では、実際に保存療法で痛みが引かずに手術を受けた場合、しっかりと回復することはできるのか、気になりますよね。

以下2つの内容をご紹介します。

神経麻痺の改善が認められ,歩行可能となった.神経症状が出現した場合には早期に手術的治療を行うべきで,病態からみて脊椎の後弯変形の矯正と,脊柱管内の除圧が行える前方固定術が有効であると考える.

出典: 臨床整形外科

後方進入による脊髄前方除圧および脊椎後方成分の短縮手術を行い,良好な結果を得た.

出典: 臨床整形外科

とのこと。適切な手術をすることで、保存療法だけでは良くならなかった圧迫骨折についても、しっかりとした良い結果が出ています。手術というと負担が大きくて回復までに時間がかかるといったイメージがありますが、一般的に用いられているとしてご紹介した経皮的椎体形成術という方法であれば、比較的負担も少なく受けられる治療法といえるでしょう。

経皮的椎体形成術(BKP、PVP)

経皮的椎体形成術が用いられる状況というのは、骨癒合が得られず、骨折が治らない・治りきらない場合に適応される治療法です。治りきらない状態を偽関節というのですが、骨折をした部分が偽関節になってしまうと、骨の中に隙間ができます。これを偽腔と呼んでおり、この隙間があることによって、いつまでも骨が動き続けてしまって痛みを伴います。経皮椎体形成術では、発生してしまった偽腔を人工骨・セメントなどで埋めてしまい、形を整えるのが基本の治療です。不安定なまま治りきっていない状態を安定化させるのが目的。さらに、BKPと呼ばれている方法では、風船で膨らませて偽腔の形を整えて、そこに骨セメントを入れて安定させる治療を行います。中が固まってしまえば、骨がもう潰れることはありません。

こういった方法が、経皮的椎体形成術です。大掛かりな手術に感じてしまいますが、実はとても低侵襲な手術とされています。針を刺すところは必要ですが、わずか数ミリ。起き上がれるようになるのも早いので、回復も早い手術といえるでしょう。

保存療法では治療が十分ではなかった、治りきらなかったというときに行われる治療法として、経皮的椎体形成術について知っておきましょう。

「経皮的椎体形成術(BKP、PVP)」の詳細をチェック>>

痛みや症状が軽いならが保存療法がオススメ

圧迫骨折の治療は、すぐに外科的な手術をする必要がない場合も多く、痛みや症状が軽いなら、保存療法で骨が繋がるまで待つことをすすめられる場合があります。基本的には医師の判断に従って、保存療法をするべきか薬物療法や手術をするかの判断をすることとなります。 骨粗しょう症などで圧迫骨折してしまった方の場合、高齢になると手術で体力を消耗するよりも保存療法の方がいいということもしばしば。ただし、保存療法を選択した場合には、体を固定するためにギプスやコルセットを使用します。

保存療法のデメリットとしてはコルセットやギプスを着けている間に姿勢を維持するための筋力低下のリスクがあることです。手術をしないで保存療法を選択したとしても、基本は骨折した部位を動かさないようにして安静に過ごすしかありません。元の生活に戻るには1年以上かかる場合もあります。また、安静にしている時間が増えれば、それだけ体力や筋力は低下します。圧迫骨折が原因で寝たきりや認知症になるケースもありますから、周囲も十分注意してあげましょう。 保存療法がいいのか、手術がいいかは、保存療法中の生活や手術後のリハビリの大変さなどと天秤にかけて、できるだけ本人の生活の質(QOL=クオリティ・オブ・ライフ)を維持できる方法を選ぶといいでしょう。

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