胸椎圧迫骨折の治療法と、治癒後に必要なトレーニング(リハビリ)についてまとめてみました。
胸椎圧迫骨折の症状は「痛み」と「しびれ・麻痺」の2つに大別することができますが、このうち麻痺などの神経症状を伴わない純粋な痛みのみの場合には、保存治療が基本となります。
具体的には、まずは2週間ほどベッドの上で安静にしたのち、痛みが緩和されてきたところでコルセットを作製。コルセットを装着して、さらに2~4週間ほど安静に過ごすといった流れになります。
しかし、こうした保存治療が通用するのは、あくまでも症状が痛みのみの場合であり、下肢のしびれや麻痺を伴うような胸椎圧迫骨折の場合には、手術を検討する必要もあります。
一昔前までは、胸椎圧迫骨折の治療法の選択肢は保存治療にほぼ限定されていましたが、最近では手術によって素早い回復・社会復帰を目指すケースも増えているようです。
胸椎圧迫骨折の治療のための代表的な手術は、椎体形成術(BKP)。
背中から小さな風船を挿入し、それを椎体の中で膨らませることによって、まずはつぶれた骨を持ち上げる。
そして、持ち上げてできたスペースに、今度はセメントを充填して固定する。言葉で表現すると、とても大がかりな手術に思えるかもしれませんが、手術はだいたい1時間程度で終わります。
手術も含めて治療自体はさほど難しいものではありません。
それよりもむしろ留意すべきなのは、は胸椎圧迫骨折の再発です。というのも胸椎圧迫骨折の多くは骨粗鬆症が原因の根底にあるため、たとえ骨折箇所を治療したとしても、何かの拍子に別の箇所が骨折してしまうケースが多いからです。
その意味でも、リハビリを兼ねた予防がとても大事。
新たな骨折を引き起こさないようにするためにも、適度な運動、適切な薬の服用、そして何より転ばないようにする心がけなどが必要になってきます。
なお、胸椎圧迫骨折のリハビリに関しては、理学療法士という専門家がついて色々と指導してくれる病院などもありますので、そうした病院を利用するのも手だと思います。
病院名 | 対応可能なリハビリ | 住所 |
---|---|---|
平和病院 横浜脊椎脊髄病センター | 牽引・温熱などの物理療法、術前・術後の運動療法や生活指導、筋力トレーニングなど。 | 神奈川県横浜市鶴見区東寺尾中台29-1 |
岩井整形外科内科病院 | 脊椎術前術後リハビリ、ロコモトレーニング、腰部脊柱管狭窄症のリハビリ | 東京都江戸川区南小岩8丁目17−2 |
日本赤十字社医療センター | 脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション、運動器リハビリテーション、呼吸器リハビリテーション、がん患者リハビリテーション、物理療法 | 東京都渋谷区広尾4丁目1−22 |
慶應義塾大学病院 | 運動療法、温熱・電気刺激などの物理療法、作業療法、言語聴覚療法、装具療法、義肢作成、薬物療法、神経ブロック | 東京都新宿区信濃町35 |
苑田会 | 理学療法、作業療法、言語聴覚療法 ※訪問リハビリも相談可。 | 東京都足立区伊興本町2-5-10(苑田第三病院) |
国際医療福祉大学 三田病院 | 脳血管疾患等リハビリテーション、運動器リハビリテーション、呼吸器リハビリテーション、心大血管疾患リハビリテーション、がん患者リハビリテーション | 東京都港区三田1-4-3 |
村山医療センター | 理学療法、作業療法、言語聴覚療法 | 東京都武蔵村山市学園2丁目37−1 |
横浜南共済病院 | 急性期リハビリテーション中心(理学療法、作業療法、言語聴覚療法) | 神奈川県横浜市金沢区六浦東1-21-1 |
圧迫骨折は、高齢者の方の場合骨粗鬆症を合併していることが多く、治療後も転倒などにより繰り返しやすい病気です。圧迫骨折後のリハビリは、生活の質を維持し、高めるためにも大切です。しかしながら同じ圧迫骨折と言っても、症状の程度や場所によって、適切なリハビリ方法が異なります。
病院でリバビリテーションを受ける際には、しっかりと症状を把握し、圧迫骨折治療を行った医師とリハビリ専門家が連携して治療をしてくれる病院を選ぶと安心です。
圧迫骨折のリハビリは、可動域(動かす範囲)を広げるための訓練や、筋トレなどに加えて、正しい姿勢を維持するための運動などがありますが、どれも素人判断で行ってしまうと症状が悪化してしまうこともあります。手術治療を行わない場合にもコルセットによる治療やリハビリ治療などの選択肢がありますから、総合的に判断して、信頼できるリハビリ専門医やリハビリ専門スタッフがいる病院を探してみましょう。
それぞれの病院の特徴をみて、自分に合った病院を見つけてください。
マンツーマンでリハビリテーションを行ってくれる平和病院 横浜脊椎脊髄病センター。リハビリテーション科を設け、脊椎脊髄治療の手術前・手術後など、各タイミングで最適な運動療法並びに生活指導に取り組んでいます。 入院治療を行う場合にもリハビリテーション科のスタッフが、体力低下を防ぐためのリハビリ指導を行ってくれますので安心です。
豊富な症例数を誇る岩井整形外科内科病院では、脊椎の手術を受けた患者さんに対する術前術後リハビリに力を入れています。入院患者担当の理学療法士が在籍し、医師と共に患者さんに合わせたリハビリトレーニングを指導してもらえます。脊椎手術を受けた翌日からスタートするリハビリは、動作確認などしっかりと状態を把握した上で行われるので安心です。
日本赤十字社医療センターは、脊椎整形外科と骨・関節整形外科のスタッフが運営する整形外科センターがある総合病院です。整形外科患者のリハビリ件数は、2016年度で入院患者に対して928件、外来患者に対しても113件と年間1,000例以上のリハビリに対応しています。入院中はもちろんのこと、退院後の外来リハビリなども受けられます。
慶應義塾大学病院には、リハビリテーション科があり、17人の医師(内13名は専門医)が所属しています。リハビリ専門医はもちろんのこと、理学療法士や作業療法士など各分野の専門医が在籍。国内最大規模のリハビリ体制を整えています。保存的療法としてのリハビリ、手術治療後のリハビリ、どちらにも対応しています。
低侵襲脊椎手術治療に積極的に取組んでいる同病院には、脊椎圧迫骨折外来が用意されている脊椎脊髄病センターのある第三病院にリハビリ科があります。リハビリ科では、脊椎手術後に早期からリハビリテーションを開始し、退院後も長期的にサポート。外来リハビリテーションもあるため、治療後も継続してリハビリに通うことができます。
リハビリテーション科には、医師4名、理学療法し25名、作業療法士14名、言語聴覚士4名と豊富なスタッフ数を揃えている村山医療センター。患者さん一人一人の症状に合わせたオーダーメイドリハビリに力を入れています。 他病院と比べて、さらに専門的な評価・治療を行うための体制が整っている点も大きな特徴です。
国際医療福祉大学 三田病院のリハビリテーション科は、運動器リハビリテーションに加えて、呼吸器リハビリや脳血管疾患等リハビリ、心大血管疾患リハビリ、がん患者リハビリなどの分野で全て施設基準を満たしているなど充実したリハビリ体制を整えています。こちらも外来でリハビリを受けられるため、退院後も引き続き治療に通えます。
圧迫骨折の手術後の早期回復や寝たきりの予防、合併症予防などを目的としたリハビリ治療が受けられる横浜南共済病院。急性期リハビリに特に力を入れています。理学療法の分野では、地域の病院などからも研修を受け入れていて、整形外科疾患のリハビリに強い病院です。
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